9115 明海グループ

771円 +0.92% 未分析

船主業が主力。自動車専用船やタンカー、バラ積み船を貸船。ホテル関連事業も。

チャート
9115.T / 3M
確信度: ~~中~~ → 高(2/28攻撃実行+イラン報復+ホルムズ民間出荷停止) 既保有 — ホールド(エスカレーション中は売らない) 2026-02-27(初版) / **2026-02-28夜(NAV再評価+確信度アップグレード)**
投資テーゼ
  1. テーゼ: 船主業(船舶を保有し長期チャーターで貸出す)が主力。VLCC・アフラマックス・ケミカル・LNG・LPG・バルク・自動車船を約50隻保有する全方位型船主。3Qで船舶4隻を売却し売却益100億円(時価総額の37%)を計上 → BS上の簿価と市場時価に巨大な含み益が存在する証拠。NAV試算で0.15倍。770円は資産の15%の値段。インサイダー保有46.2%。ホルムズ封鎖で船舶時価・タンカー運賃がさらに上昇中。
  2. 最強の反論: 本業は大幅減益(経常利益93.4%減予想)。船舶売却益という一時益で利益を補填する構造。配当利回り0.65%(配当性向6%)で株主還元が渋い。スタンダード市場で出来高3万株/日と流動性が極めて低い。信用買残220万株/売残ゼロで踏み上げ余地なし。NAV試算は各船の詳細がないと精緻な計算は不可能。
  3. 結論: カタリストDD時の「自己資本比率15%でWATCH降格」は評価軸の誤りだった。船主業は資産ビジネスでありNAVで評価すべき。NAV 0.15倍は「バリュートラップ」ではなく「市場が見ていない」。769円で100株保有中。ホルムズ封鎖は含み益を加速させるカタリスト。ホールド継続。

Hard Guard: CLEAR CLEAR
チェック項目 結果 備考
PO・増資 CLEAR 該当なし
行政処分・不正 CLEAR 該当なし
上場廃止・債務超過 CLEAR 純資産912億円。債務超過ではない
ストップ安 CLEAR 該当なし
信用倍率 ⚠️ 売残ゼロ 買残220万株/売残0。踏み上げ余地なし

ファンダメンタル・データ(2/27時点)
指標 備考
直近終値 ¥771 52週高値¥813から-5.2%
52週レンジ ¥500 — ¥813 安値から+54%
時価総額 約270億円 スタンダード市場
PER(実績) 5.39 船舶売却益込み。本業ベースはもっと高い
PBR 0.50 BPS ¥1,526に対して半値
配当利回り 0.65% 配当性向6%。還元渋い
ROE 14.0% 船舶売却益込み
ROA 1.6% 総資産2,932億に対して
EV/EBITDA 6.86
自己資本比率 16〜18% 海運船主業では標準的
インサイダー保有 46.2% 経営陣の利害一致
機関投資家 12.0%
フロート株数 1,841万株 発行済3,406万株の54%
出来高(10日平均) 33,000株 vol_ratio 0.81
RSI14 68.1 やや過熱

業績

項目 3Q累計(4-12月) 通期予想 前期比
売上 453億円 578億円 -14.4%
営業利益 45.6億円 30億円 -72.8%
経常利益 22億円 6億円 -93.4%
純利益 44.3億円 33億円 +17.4%
特別利益 100.5億円 船舶4隻売却益
  • 注目: 経常利益は93.4%減予想だが、船舶売却益で純利益は+17.4%増益を確保
  • これは「含み益の顕在化」であり、BS上に載っていない価値が100億円以上あったことの実証

船隊(Fleet)
船種 保有 備考
VLCC あり 超大型原油タンカー
アフラマックス あり 中型原油タンカー
MR/ケミカル あり プロダクト/ケミカルタンカー
LNG船 あり 4隻は関連会社に移管(持分法)
LPG/VLGC あり
メタノール船 あり
ケープサイズ あり 大型バルカー
カムサマックス あり
自動車専用船(PCTC) あり
コンテナ船 あり
  • 合計約50隻、平均船齢6年(2018年VesselsValueデータ)
  • 船種の多様性は海運船主として全方位型
  • 1911年設立(三井物産船舶部の別組織)。歴史的に商船三井グループ

NAV(純資産価値)分析 — 核心

なぜPER/PBRでは評価できないか

船主業は「船舶という実物資産を保有し、チャーターで貸し出す」ビジネス。REITが不動産を保有し賃貸するのと同じ構造。REITをPERで評価しないように、船主業はNAVで評価すべき。

含み益の実証

事象 金額 意味
船舶4隻売却益 100.5億円 簿価と市場価格の差額=含み益
時価総額 270億円 4隻売っただけで時価総額の37%
残り船舶 46隻以上 同等の含み益が残存

NAV試算(概算)

項目 金額 根拠
船舶時価(50隻 × 平均50億円) 2,500億円 保守的見積。VLCC5年物1.1億ドル(170億円/隻)
現金同等物 478億円 BS計上額
その他資産 ホテル・不動産等は加算していない
有利子負債 -1,657億円
実質NAV 約1,300〜1,800億円
時価総額 270億円
NAV倍率 0.15〜0.21倍

資産の15〜21%の値段で買える。

「自己資本比率15%」の正しい解釈

視点 表面的な評価 実態
有利子負債1,657億 危険なレバレッジ 船舶担保ファイナンス。不動産ローンと同構造
自己資本比率15% 倒産リスク 海運船主業では標準的水準
PER 5.9倍 バリュートラップ 船舶売却益込み。NAVで見れば激安
PBR 0.50倍 まあ割安 NAVベースでは0.15〜0.21倍。PBRすら過大

中古船価格の動向(2026年2月)
船種 価格 変動
VLCC 5年物 1.1〜1.2億ドル 4年前比+57%
VLCC 10-15年物 4年前比+67%
VLCC新造 1.28億ドル 2028年には1.87億ドル予想
MR新造 4,500万ドル
  • 中古船価格は上昇トレンドが継続中 → 含み益はさらに拡大中
  • ホルムズ封鎖でタンカー需要急増 → 船価上昇圧力がさらに強まる

過去の有事反応
日付 イベント 反応
2019/6/13 ホルムズ海峡タンカー攻撃事件 海運セクター全般上昇
2020/4/22 WTI原油マイナス(タンカー市況急騰) ストップ高
2025/6/23 トランプ、イラン核施設攻撃表明 共栄タンカーS高に連動上昇

評価(2/28アップグレード+NAV再評価反映)
評価 根拠
カタリスト確信度 攻撃実行+報復+出荷停止。「計画」→「実行」に移行
テーマ接続性 全方位型船主。VLCC/タンカー/LNG全て保有。運賃上昇の直接受益者
需給構造 ⚠️ 一方通行 買残220万株/売残0。踏み上げ余地なし
織り込み度 初動前 3M+10.5%、1M+4.9%。ほぼ動いていない
基本体力 NAV大幅割安 NAV 0.15〜0.21倍。含み益100億円実証済み。本業は減益だが資産価値で下支え
C型(資産再評価) 船舶含み益の顕在化は構造的。A型の短命さはない
タイムライン 保有中 769円で100株保有。エスカレーション中はホールド

リスク
  1. 流動性: 出来高3万株/日。exit困難。最大の実務的リスク
  2. 本業大幅減益: 経常利益93.4%減予想。船舶売却益で補填する構造は持続性に疑問
  3. 配当利回り0.65%: 株主還元が渋い。カタリスト不発時に配当で支えられない
  4. 信用買残220万株/売残ゼロ: 新規買いの利確売り圧力になる
  5. NAV試算の不確実性: 各船の詳細(船種・船齢・契約状況)がないと精緻な計算不可能
  6. LNG運賃の軟化: 2025年にLNG運賃60%下落。LNG船の収益圧力
  7. 停戦シナリオ: 有事プレミアム剥落時、本業減益が下支えになりにくい

DA反論への再反論(2/28 NAV再評価)

旧DA指摘(Phase 4)

  • 「自己資本比率15.5%は異常に低い」→ 船舶担保ファイナンスであり海運船主業では標準
  • 「PER 5.9はバリュートラップ」→ 船主業はPERではなくNAVで評価すべき。NAV 0.15倍は「罠」ではなく「市場が見ていない」
  • 「有利子負債1,657億は過大」→ 船舶時価2,500億(保守的試算)が担保。ネット有利子負債1,179億 < 船舶時価

DAの指摘で依然有効なもの

  • 流動性リスク(スタンダード市場、出来高3万株/日)→ 有効。exit困難は事実
  • 本業減益(経常-93.4%)→ 有効。ただし含み益の顕在化で補填可能
  • 配当利回りの低さ→ 有効。下値支持にならない

判定: 既保有 — ホールド

769円で100株保有中。エスカレーション中は売らない。

管理ルール(2/28アップグレード反映)

  • 損切り: ¥700(-9%)。ホルムズ再開+停戦合意で即撤退
  • 利確: +15%で半分(¥885)、+25%で全決済(¥961)。NAV割安を根拠に利確ラインを引き上げ
  • タイムストップ: 3週間(2026-03-20まで)。それまでに動意なければ撤退
  • 停戦時: 即日パニック売り不要だが、翌営業日中に利確判断。本業減益のため停戦後の持続力は弱い
  • 追加買い条件: 出来高8万株超 + ¥770超え陽線引け で追加検討(最大200株まで)

ポートフォリオ内の位置づけ

  • 飯野海運・川崎汽船が本命。明海は「NAVディスカウントの安いオプション」
  • 単独でフルポジションを取る銘柄ではない
  • ポジションサイズ: 76,900円(100株)= 最小ロット

更新履歴
日時 更新内容
2026-02-27 初版作成。Tier B → DA反論で WATCH降格
2026-02-28夜 NAV再評価実施。「自己資本比率で切り捨て」は評価軸の誤りと判明。NAV 0.15〜0.21倍。管理ルール刷新(利確ライン引き上げ)。確信度=高反映
omowaku / 20260227_アメリカのイラン攻撃 / 9115_明海グループ 最終更新: 2026-02-27(初版) / **2026-02-28夜(NAV再評価+確信度アップグレード)**